- Intelが次世代CPU『Panther Lake』を2025年後半、『Nova Lake』を2026年に発売すると発表
- 最先端の「Intel 18A」プロセスの量産を2025年より開始し、性能と電力効率を向上
- 「Intel 14A」プロセスも開発中で、さらなる性能アップを実現予定
Intelの新CEOがCPUロードマップを更新、Panther LakeやNova Lakeが登場予定
Intelの新CEOであるLip-Bu Tan氏は、最新のプロセス技術「Intel 18A」「Intel 14A」や、新世代CPU『Panther Lake』『Nova Lake』などの製品ロードマップについて最新情報を公開しました。
Intelはすでに最先端プロセス技術「Intel 18A」の量産準備を進めており、この技術を採用する最初のCPUが、2025年後半に登場する『Panther Lake』になることが明らかになりました。続いて、『Nova Lake』も2026年に発売予定となっています。
項目 | インテル 14A-E | インテル 14A | インテル 18A | インテル 20A | インテル 3 | インテル 4 | インテル 7 | インテル 10nmスーパーフィン |
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生産開始時期 | 2027年 | 2026年 | 2024年上半期 | 2024年上半期 | 2023年上半期 | 2022年上半期 | 量産中(現在) | 大量生産中(現在) |
パフォーマンス/ワット (10nm ESF比) | 未定 | 未定 | 未定 | 20%以上? | 18% | 20% | 10~15% | ―(基準) |
EUV採用 | 未定 | 高NA EUV | はい | はい | はい | はい | なし | なし |
トランジスタ技術 | 未定 | 未定 | 最適化されたRibbonFET | RibbonFET | 最適化されたFinFET | 最適化されたFinFET | 最適化されたFinFET | FinFET |
主な製品 | 未定 | 未定 | Nova Lake Panther Lake Clearwater Forest Diamond Rapids? | Lunar Lake Arrow Lake Diamond Rapids? | Granite Rapids Sierra Forest Foundryパートナー | Meteor Lake Xe-HPC/Xe-HP? | Alder Lake Raptor Lake Sapphire Rapids Emerald Rapids Xe-HPG? | Tiger Lake |
Intel 18Aプロセスが2025年に本格稼働、性能と電力効率を飛躍的に改善

Lip-Bu Tan CEOによると、「Intel 18A」プロセスの進捗は非常に順調であり、2025年後半から量産(HVM=High-Volume Manufacturing)が開始される予定です。
『Panther Lake』は、この「18Aプロセス」を採用した最初のCPUシリーズで、特にノートPCなどのモバイル製品を主なターゲットとしています。
また、『Nova Lake』シリーズでは、CPUコア数が大幅に強化される見込みです。現時点でのリーク情報によれば、パフォーマンスコア(P-Core)が最大16基、省電力コア(E-Core)が最大32基という構成になり、デスクトップおよびノートPCの両方に投入されると予想されています。
新技術『RibbonFET』と『PowerVia』が登場、「20A」は廃止し「18A」に一本化
「Intel 18A」は業界初となる新しいトランジスタ技術「RibbonFET(リボンFET)」や、バックサイドパワーデリバリー技術「PowerVia」を搭載したプロセスです。当初計画されていた「20A」プロセスはキャンセルされ、「18A」に一本化することで、従来のIntel 3プロセスよりも大幅な性能・電力効率・密度の向上が期待されています。
さらにIntelは、次世代のプロセス「Intel 14A」の開発も進めており、18Aよりもさらに性能と効率性を高める計画です。標準の14Aプロセスは18Aより15%も性能(性能あたりの消費電力比)が向上し、さらに強化版の「14A-E」は追加で5%の性能アップを実現します。
サーバー向け新CPU『Clearwater Forest』も18Aプロセスで登場
Intelはサーバー向けCPU『Clearwater Forest』を2026年前半に発売予定であることも明らかにしました。このCPUはE-Coreのみ最大288基を搭載した構成となり、「Foveros Direct」という最新の3Dチップスタッキング技術を使用しています。
サーバー市場では、Intel製品が世界の主要データセンターの約4分の3を占めているとされていますが、競合他社の台頭もあり、Intelもさらなる進化が必要と認識しています。『Clearwater Forest』はその第一歩として期待されています。
米国内での製造体制も強化、Intelのアリゾナ工場で18Aプロセスの量産を開始へ
Intelは今年中に米国アリゾナ州に新設した製造拠点で「18A」プロセスの量産を開始すると発表。アメリカ国内での半導体生産をさらに拡張する計画を明かしました。
Lip-Bu Tan CEOは次のように述べています:
「Intelは半導体の需要増加に応える重要な役割を担っています。今年後半にはアリゾナ州の新工場で最先端の18Aプロセスの大量生産を開始し、米国政府と協力しながら技術と製造分野における米国のリーダーシップ強化を目指します」
詳細な情報は『Vision 2025』イベントで発表予定
Intelは2025年3月31日に『Vision 2025』というイベントを開催予定であり、CEOのLip-Bu Tan氏がさらに詳しい製品ロードマップや今後の戦略を明らかにする予定です。Intelファンや自作PCユーザーにとっても目が離せないイベントとなりそうです。

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