- 『GTA 6』の発売日が不透明なため、他社が発売時期の予測を立てづらい
- 他のゲームスタジオは『GTA 6』の発売に被らないようにリリース計画を立てる必要があり、延期されれば大きなダメージを受ける可能性がある
- 『GTA 6』は業界を盛り上げる可能性があるが、全ての会社が恩恵を受けるわけではない
『GTA 6』の不透明な発売日がゲーム業界を振り回す
今年最大の注目作である『Grand Theft Auto 6(GTA 6)』の発売日は、未だ不透明なままです。
多くのゲームスタジオは、自社タイトルの発売日を『GTA 6』の登場と重ならないよう慎重に検討しており、その結果、他の新作ゲームの発売日発表にも大きな影響が出ています。
ゲーム市場リサーチ企業「Newzoo」のコンサルティング責任者であるベン・ポーター氏は、PC Gamerとのインタビュー(GDC 2025)で、次のように警告しています。
「『GTA 6』の発売日を待ちながら息をひそめているゲーム会社にとって、もし『GTA 6』が3か月、4か月、あるいは半年も延期されたら、一体どうなると思いますか?」
ポーター氏は「この予測を外すことが、スタジオによっては致命的な打撃になる可能性がある」と語っています。
過去最大級の競合タイトル、『GTA 6』の影響力

現在のところ、『GTA 6』は今年の秋に家庭用ゲーム機向けにリリースされると噂されていますが、PC版の発売日はまだ明らかになっていません。
ゲームの規模や開発状況を考慮すると、実際には2026年まで延期される可能性も十分ありえます。
最近では『サイバーパンク2077』『スターフィールド』『アサシン クリード シャドウズ』など、大作ゲームの発売延期が相次いでいます。小規模なインディースタジオなら延期が起きることは珍しくありませんが、『GTA 6』のような巨大タイトルの場合、その延期や発売トラブルは瞬く間に世界中に報じられ、大きな注目を浴びてしまいます。
他タイトルの発売スケジュールにも影響大
実際に『GTA』シリーズが持つ影響力は圧倒的です。『GTA 5』が発売された月の米国市場では、その月のゲーム売上の50%を占めていました。またイギリスでは発売週に全ゲーム売上の89%、売上高の94%を占めていたほどです(ソース:The Game Business Show ポッドキャスト)。
そのため、多くのゲームスタジオは他社の大作と競合しないよう、リリース日程を慎重に調整する傾向があります。『GTA 6』は前作から12年ぶりとなる待望の新作であるため、業界全体が強い警戒感を示しています。現在のところ、同時期にリリースが決まっている大作ゲームはほとんどありません。
また、『GTA 6』を開発するRockstar Gamesの親会社であるTake-Two Interactiveは、別の大作『ボーダーランズ4』を今年リリース予定です。時期が近いため、一部では『ボーダーランズ4』が『GTA 6』の影響を避けるために、『GTA 6』を意図的に遅らせているのではないかという憶測も出ています。
多くのゲームスタジオが『GTA 6』の影響を恐れる一方、この新作がゲーム市場を活性化すると期待する声もあります。しかしポーター氏は、その効果は限定的だろうと指摘しています。
「業界内では『GTA 6』がゲーム市場全体を再活性化させると考えている人も多いですが、それがすべての企業に恩恵をもたらすとは限りません」
つまり、『GTA 6』のような巨大な新作ゲームが登場することは、一部の企業にとっては大きなチャンスですが、他の多くの企業にとっては逆に大きなリスクとなる可能性があるのです。
まとめ:ゲーム業界は『GTA 6』の動向を注視
『GTA 6』の発売日は依然として未発表であり、ゲーム業界はこの状況を注意深く見守っています。もし『GTA 6』が延期された場合、その影響は業界全体に波及し、小規模な企業にとっては倒産のリスクも現実的になるでしょう。ゲームスタジオ各社は、今後の動向に慎重に対応していく必要がありそうです。
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